【パリーグ戦力分析2022】ロッテ投手編

戦力分析投手編

こんにちは。今回はロッテです。

2年連続の2位でのフィニッシュでした。まずはチーム成績を振り返ります。

得点584(パ1位)失点570(パ5位)得失点差+14(パ4位)でした。得失点差の観点では、21シーズンのロッテは幸運だったと言えるかもしれません。

平均得失点のグラフはこちらです。これだけでは攻撃力が高い代わりに投手力が低いチームであるようにみえますね。しかし、得点と失点だけではそのチームの実力や戦力図はさすがにわかりません。詳しく見ていきましょう。

結論から言いますと21シーズンのロッテは野手のチームとは言えません。しかし、投手力のチームとも言い難いです。指標的には21年は、オリックス、ソフトバンク、楽天には劣るといった評価です。ややこしい理屈があるとかではなくWAR的にそうなってしまうってだけの話なんですが。WARの算出には球場補正いわゆるpfが割と関わってくるのですが、それも関係あります。それ以外も色々あるんですけど詳しく説明してるとそれだけで1記事かけてしまうので、今回はWAR的にはそうなんだと認識していてください。あとで感覚と数字が一致しない人のために更新していきます。

<先発>

21シーズンはかなり苦しかったと言えます。エースクラスの投球を期待されていた二木がシーズン通してあまり貢献できず、高い奪三振率誇る種市をTJ手術でかき、石川も前半戦の不調からの怪我や美馬は交流戦の大炎上から長い間調整に入ったり前半戦はかなり苦労しました。それでも終盤戦には佐々木朗や小島の台頭もあり優勝争いをするまでに至りました。

先発陣で最もWARを稼いだのは小島で2.7です。ついで、佐々木朗、美馬が2.6です。抜けた投手は正直いなかったと言わざるを得ませんが、離脱がありながらも驚異的なスピードで回復して復帰した石川や前半戦のみで8勝した岩下がそれなりのWARを稼いで全体としてはそこそこのWARになりました。詳しく主なロッテ先発陣の指標を使って弱点や強みなどを見ていきましょう。

主な先発投手の指標(Aveはパリーグ先発平均)

先発登板時のみの成績での集計

今回からk-bb%を載せました。ざっくりとした説明としては、奪三振力とコントロールのバランスを表してるといった感じですね。石川のようにk%が低くてもbb%が非常に優秀ならばそれなりの値は出ます。もちろん差を取るのでk%自体が高くないと高い数値は出ませんが。

明確な強みは佐々木でしょうか。63イニングでWAR2.6を記録するだけのことはありますね。それ以外は正直厳しい数字が多いです。ただ、小島に関しては9月11日以前と以後でbb%にはかなり変化があり、以前が10%以上あるのに対し、以後は4.18%とかなり改善しており、稼いだWARもこれ以降の期間に集中しており、これがたまたまでなく、成長ならば22シーズン以降の改善に期待ができます。今期は苦しんだ印象の美馬ですが、指標的にはほぼリーグ平均といった感じですね。二木に関しては、2020のk%,bb%,HR/9はそれぞれ21.9,3.3,0.68だったのですべての指標が非常に悪化してしまいました。特にk%に関しては先発として本格的になった16年~20年の期間で16年を除き20.0以上であり、安定していた奪三振率が相当悪化してしまいました。これがたまたまなのかマークされた影響なのか本人の劣化によるものなのかはわかりませんが、22シーズンもチャンスはあるはずですから改善に期待ですね。

21のロッテ先発陣全体のK%は17%で、リーグ平均を2%も下回ります。bb%は7.1%でリーグ平均よりもいい数字ですが、k-bb%はリーグ平均を下回り、奪三振のマイナスを帳消しできていません。ロッテ先発の明確な課題ですね。どちらかの改善が必要そうですが、近年のロッテの補強は奪三振率は意識しているようで、国吉、鈴木、ロメロなどといったK%の高い選手をそろえています。また、先ほども触れましたがk%の高い種市が22シーズンは復帰し、非常に優れたスタッツを誇る佐々木はおそらく中6日を解禁するはずですから、22シーズンは逆にチーム全体として優秀な指標を出しても不思議ではないですね。しかし、HR/9がどの選手も高いのは問題です。マリンはパリーグの中ではかなりホームランの出やすい球場ではあるものの、ロッテ先発陣全体のHR/9は1.14で非常に悪いです。とはいうもののHR/9は改善しようと思って改善できることはかなり限られてきますし、一朝一夕でできることではないのでk%が高く、bb%が低い選手を集めることがチーム全体の投手力向上につながるはずです。(これも簡単ではないんですけど)厳しいことは書きましたが、指標が優秀な鈴木、佐々木、種市といった若い選手が多く、リーグ内ではかなり若い先発陣であるのは間違いないです。1軍経験があまりない枠でも森や中森といった優秀なプロスペクトを抱えているので21シーズンの指標は全体的には微妙でしたが、長期的にロッテが強力な先発陣を形成していっても不思議ではないです。

<リリーフ>

リリーフのWARはパリーグトップでした。しかし、k%,k-bb%はリーグ平均以下で先発陣と同じような課題があります。

主なリリーフ投手の指標(Aveはパリーグリリーフ平均)

21年の勝ちパターンは唐川ハーマン益田→ハーマン唐川益田→佐々木唐川益田→国吉佐々木益田といった変遷でした。パリーグでは一年間抑えを続けられた選手が益田のみでしたが指標面でも非常に優秀といえます。終盤セットアッパーを務めた佐々木、国吉はHR/9以外の指標が非常に悪く、21シーズンの成績は幸運であった可能性が高いです。このあたりの選手が22年も同じようにいい成績を残せるとは限らないと考えた編成が必要です。その中でシーズン通して不振であったハーマン(防御率:5.19,イニング:43.1)は退団し、新たにおそらくリリーフ枠でタイロンゲレーロを獲得しました。球速の速い選手ですが、コントロールが悪く、MLB通算のk/9は9.42,bb/9は5.69です(fangraphs参照)。日本での適応に期待といった感じでしょうか。先発の可能性もありますが、ドラフトでも廣畑や八木を獲得し、リリーフのプロスペクトとしては横山がいます。(2021二軍k/9:10.80,bb/9:3.93)一軍でも少ない登板ですが高い奪三振力を発揮しました。コントロールが課題ですが22シーズンで3年目となる高卒選手ですし、これからの活躍に期待です。また、ロッテは先発候補は大量に抱えているため先発候補の鈴木や岩下をリリーフにする可能性もあります。今期はセットアッパーを奪えなかった小野ですが、その能力の高さは誰もが認めるものです。殻を破ることに期待したい枠ですね。これら選手たちも若いため、短期的にはやりくりが苦労する可能性はあるでしょうが、中長期的にリリーフが穴とならないような編成はできてると考えてよさそうです。

ロッテ投手陣長年の課題として、奪三振率の低さがありましたが近年はその課題を克服できうる投手を集め、育成することができているようでポイントを押さえた補強ができているようです。野手編でもふれますが、再建期から勝負の年となる段階になりつつあるチームですので、これから数年のロッテには注目です。

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