【パリーグ戦力分析2022】日本ハム野手編

戦力分析野手編

こんにちは。間隔があきましたが、野手編です。

本編に入る前にこちらを見ていただきたいのですが、日ハム野手は同リーグの野手と比べ、攻撃面でプラスを出している選手はほとんどいません。基本的に野手は全てのポジションが課題です。21年はコア不振から若手を無理矢理起用しました。厳しい成績なのは誰でもわかることです。そのため、今回は今までの分析とは変えて、21年ドラフトやオフの野手の補強で穴を埋めるための動きができたかどうかの評価が中心として話していきます。もちろんある程度成績を使って評価をします。

22年開幕前現在年齢ポジション別全野手表

新戦力は赤、育成は()年齢は2022 2/23現在

<捕手>

多く起用されたのは清水です。次点で石川、宇佐見です。この中で一番打撃成績が良いのは清水の.206/.291/.290/.581(打率/出塁率/長打率/OPS)です。そして年齢が一番若いのも彼です。ただ、守備面でも打撃面でもパリーグの平均クラスとは言い難いです。

22年穴を埋める予定なのであれば、ドラフト上位で大卒捕手を確保するか、長期的な目線でみるなら同じく上位で高卒のプロスペクトを確保するかFAでとるかでした。下位指名の捕手でいきなり穴を埋めることは現実的に厳しいですし、FA市場にも特に捕手が出回りませんでした。

ロッテ松川はポイントに当てはまっていたと思いますが、先に取られてしまったので、そうなってくると優先順位的には低かったのかなと思いますが、育成かつ独立出身であまり若くない速水を指名しました。打撃が売りとの選手のことですが、一年目から勝負だと思います。支配下にいきなり抜擢されるまでの活躍をもしできればチャンスはあるでしょうが、正直あまり現実的ではないかなというのが率直な感想です。

プロスペクトとしては梅林、古川、田宮でしょうが、打高のイースタンリーグでも目立った成績は残せていません。育成指名のため、獲得して損することはあまりありませんが、年齢的にも先述の若手選手とあまり変わらず、会心の指名ではなかったと思います。

22年は一軍では清水を中心にサブで石川、宇佐見を使っていく起用は変わらないのかなといった印象です。郡の起用はよくわかりませんでした。捕手としてはあまり出場せず、内外野でいろんなポジションを守りましたが、ユーティリティータイプの選手は日ハムはたくさんいますし、それを目指す年齢でもありません。捕手として考えてないのか良くわかりませんが、穴しかないのでチャンスはあると思います。

22年ドラフト前時点での日本ハムの戦力図やドラフト候補はわかりませんが、22年以降も補強が必要なポジションでしょう。大卒ならば、一年目一軍でOPS.600以上で、守備面に大きな破綻がないレベル、高卒なら世代ナンバーワンレベルが穴を埋めるためにほしいラインだと思います。

<一塁手>

現状、一塁メインは高濱のみです。高濱も若めではありますが、若手というような年齢でもなくなってきています。そして肝心の成績ですが.262/.305/.390/.695と悪くはないですが、打撃が求められる一塁メインの選手の成績としてはさみしいです。再建中ですし、彼もまだまだ成長する余地はありますし、守備難の選手が集まる一塁では若いこともあり、守備ではトップクラスです。数年間は彼でもいいでしょうが、優勝を狙うのであれば物足りないのも事実です。年齢的にも大卒の大砲候補よりは高卒の大砲候補が欲しいところでした。その中で三塁メインですが、スラッガー候補の有薗や阪口を指名できました。彼らが活躍できるか、大成できるかは抜きにして21年のドラフト候補の中ではポイントにマッチした良い指名だったと思います。また、清宮も段々と立場も厳しくなってきたところです。高濱も絶対的な壁ではありません。彼の活躍にも期待したいところです。

<二塁、遊撃手>

セカンドでは序盤こそ渡邊が不振ながらも我慢して起用されましたが、壊滅的な守備とそれをカバーできるほどの打撃をアピールできなかったことからトレード獲得した佐藤の起用にシフトされました。ですが、佐藤も渡邊よりも主要打撃指標は悪いうえに年齢が若いわけでもありません。ショートでは、石井一成、中島が中心でした。いうまでもなく厳しい数字です。そしてどちらもプロスペクト扱いするような年齢でもありません。

細川は多少の期待を受けている選手でしょうが、二軍でも一軍でも目立った成績を残せているわけではなく、まだまだ時間がかかるはずの選手です。彼を計算にいれなければいけない状況は阻止したいです。その中で高卒社卒の二遊間を守れる水野、上川畑を指名しました。即戦力クラスで注目の内野手がたくさんいたわけではなかったので、いた選手の中ではかなり良い指名だったと思います。

ただ、彼らを取ったからといって安心できるかどうかは22年の二軍、一軍の成績次第です。今後の補強は今季一軍でも起用されるであろう彼らの成績によって大きく変わってくると思います。高望みするなら両者21年阪神中野クラスの活躍を期待したいところです。そうすればある程度計算できるポジションとなってくるはずです。また、新外国人のアルカンタラは二塁を守れるそうです。今後も補強が必要となるポジションにはしたくないでしょうし、二遊間ともにルーキーに背負わせすぎない起用が大事だと思います。

<三塁手>

野村がかなり我慢して起用されました。というより野村しかいなかったという方が正しいでしょうが。.267/.303/.361/.664と実質一軍一年目としては悪くない成績だったと思います。9月以降の成績が.235/.280/.310/.590と悪く、疲れもあったと思います。まぁ日ハム全体、ひいてはパリーグ全体で9月以降の打撃成績はひどかったのですが。正直まだまだ計算できるポジションではありません。

一塁でも触れた阪口や有薗もライバルとなるでしょうが、高卒ですし、野村以上に期待するのは酷です。その中でレナートヌニェスを獲得しました。21年はタイガース傘下のAAAで74試合に出場し.291/.383/.585で、wRC+は154と素晴らしい成績でした。MLBレベルでの適応はできていませんが、NPBでの適応に期待したいところです。野村が一本立ちするのが理想なのは間違いありませんが、まだ計算はしづらい以上新外国人での補強は必要だったと思います。

<外野手DH>

新戦力は育成選手の指名のみでした。プロスペクトとしては万波や五十幡や今川でしょう。どの選手も二軍では素晴らしい成績を残しています。1軍レベルでまだまだ課題があるのは間違いないですが、22年飛躍してもいい選手たちだと思います。

DHか左翼は近藤がいるので基本3枠を争う形なると思います。淺間はセンター守備でプラスを出しながらも、打撃は平均ちょい下レベルですし、年齢がそこまで若いわけではありません。彼も五十幡がいる以上レギュラー当確ではないと思います。ただ、現状プロスペクトたちを計算せざるを得ない状況なのは苦しいと思います。

王が22年も残留して、OPS.750と悪くはありませんが、助っ人の成績としては見劣りします。そして、対左に致命的な課題があるがゆえに起用も難しいです。21年は左に対しての起用はほとんどありませんでした。これが最大の問題です。19年、20年は不振となった王ですが、21年は前年に比べればよい成績だったので、残留が全くダメとは思わないのですが、リリースして新外国人でもよかったのかなと思ってしまいます。現時点でさらにプロスペクトの確保はしなくても良かったかもしれませんが、新外国人を獲得した方が良かったかなと思うのが率直な感想です。

<総評>

この穴を一年のドラフトと補強で埋めきることは無理と言っていいです。補強でケチはつけましたが、投手含め非常によいドラフトはできたと思います。とはいっても、投手は悪くはないですが、この野手の課題を1年で解決するのは厳しいです。そのため、新庄監督が就任したことで注目は集めてるでしょうが、いきなり上位というのは難しいと思います。

ブレイク候補の若手はいますし、うまくいけば、3位はあるかなというのが今の印象です。まぁすべてうまくいく想定なら圧倒的なチームがいないので1位もないことはないですが、(超願望込みならあるって話です、そんなのはすべてのチームに言えます)現実的には厳しいでしょう。このチームは22年に優勝を目指すというより数年かけて課題をつぶしていくのが目標のはずです。西川、大田、中田とコアを放出してしまったものの、それなりに今後戦っていけるような補強はできたと思います。

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