【パリーグ戦力分析2022】埼玉西武野手編

戦力分析野手編

こんにちは。野手編です。これでパリーグは最後ですね。

投手編でWARが低い要因が投手と書きましたが、野手も野手で大きな課題を抱えています。

こちらがポジション別攻撃力の表です。捕手の攻撃力はやはり格別です。森友哉の存在の大きさが際立ちます。内野も、山川にしては物足りないかもしれませんが、まぁ及第点でしょうし、セカンドの守備力は12球団トップクラスである外崎、山田がいます。大きなプラスはなくとも、十分及第点でしょうし、ショートは歴代でも最高クラスの守備力の源田なのでこの攻撃力でも全く問題ないでしょう。

問題なのは外野です。攻撃力がすべてのポジションで課題の日本ハムをも余裕で上回るマイナスを全ての外野ポジションで叩き出してしまっています。外野課題は2018,2019の連覇していたときからも抱えていましたが、それを余裕でカバーできる内野の攻撃力、秋山の存在で誤魔化してきましたが、秋山もいなくなり、外崎、山川の成績が落ちたことで攻撃力が相当ダウンしてしまいました。その結果、課題となりやすい捕手とショートで球界最高クラスの選手を抱えながらもチームWARがパリーグ最下位となってしまっています。

外崎、山川の打撃の復活、新外国人の活躍次第では上がってくる可能性は十分あるとは思いますが、他チームと比べると上位進出の可能性はやはり低いと言わざるを得ません。フロントや首脳陣がどのように考えているかは分かりませんが、本気で勝負をかけにいく年でもないのかなといった印象がします。(ただ、23年オフに森、源田、外崎、山川といったコアがFA権を取得すると言わているのでFAして他球団へ行ってしまうとさらに再建に時間がかかると思いますが、その辺は引き止める前提で話していきます)

そのため、今回は外野問題や、近年の西武のドラフトが課題解決に向かっているのかの評価、投手編含めた今後の西武の展望を中心にしていきたいと思います。

20年の外野手一覧(西武公式選手名鑑から)

21年の外野手一覧(西武公式選手名鑑から)

22年開幕前外野手一覧(西武公式選手名鑑から)

木村は21年途中でトレードで放出し、スパンジェンバーグは戦力外くらいでしか整理が進んでいません。追加したのは、オグレディ、中三河、ジェセフ、川村で、ジョセフと川村は育成選手です。(ジョセフは赤色つけ忘れました。育成選手という意味です。)この中で内野も守れるよという選手は熊代ぐらいのはずで、殆どは外野専任です。14人、支配下12人の外野手を抱え、ここに名前はありませんが、外崎や呉などやプロスペクトの長谷川も外野を守れますし、外野を守れる選手がこれだけいる中でここまでのマイナスを作ってしまっています。本来であれば大整理(戦力外やトレード)を行った上で戦力追加を行いたいのでしょうが、それがしづらいのも理解できます。

年齢分布を見れば分かりますが、一番多い層が22~25といった若い層が中心です。正直切るには早い選手ばかりです。またここに即戦力外野手を追加してしまうのは編成のバランス上非常に厳しいでしょう。

それでも、若林は昨年ルーキーで実働2か月だけでしたが、かなりインパクトを残しましたし、愛斗も今までに比べたら昨季は持っているポテンシャルを一軍で発揮することができました。岸も主に上位打線で9本放つなど一定のアピールはしています。ただ、いつまで経っても色んな選手が”一定”程度のアピールを続けていても課題はいつまでも解決しません。誰か一人は定着してくれないと整理したい選手も切りづらいです。選手をゲームの駒のように扱うわけではありませんが、70人枠という制限がある以上、チームを強くする戦力追加を行うには戦力の整理は避けて通れません。切るだのなんだのの表現で気分を害される方がいるかもしれないので釘を刺しておきます。

正直、あまり近年のドラフトや戦力整理では外野課題を解決できているとは言えません。ただ、若林を獲得することはできましたし、彼が復帰後どこまでやれるのか、その他22~25の層の突き上げによっては十分この大きな穴を埋める可能性はあると思います。

その中でも練習試合、オープン戦と素晴らしいアピールが続く鈴木将平には注目が集まっているはずです。21年の二軍成績ではとても高い貢献度を見せていました。211打席に立ち.333/404/.435 三振率は10%と(イースタン平均K%:18.7%)、非常に良い打撃成績ながら、二軍のUZRは異常なくらいの高値でした。まぁ正直二軍のWARやUZRの数値の妥当性に関してはかなり僕は懐疑的なのであまり参考にはしてませんが。それでも、一定の守備力と高い打撃能力を発揮したのは間違いありません。21年は42打席でOPS.384と1軍では実力をあまり発揮することができませんでしたが、22年こそ西武課題の外野問題を埋めてくれれば西武が上位進出できる可能性もかなり上がってきます。

そう言って何年も課題が続いているのはともかく。。。。

その課題の外野手の外国人としてはオグレディが加入しました。21年のAAAの成績は

329打席にたち.281/.366/.547 wOBA.378とかなり好成績のように見えますが、マイナーはかなり打高だったようでwRC+は120までしか伸びませんでした。この年はMLBでも出場しており、

61打席で.157/.267/.333とあまり良い成績ではありません。(良かったらNPBには来ないので当たり前なのですが)しかし、打球の質などを使ってあるべきwOBAを推測するxwOBAという指標では.294で、BABIPは.182と多少なりの不運はあったようです。xwOBAの詳しい解説はこちら

これも別に良い値というわけではないのですが、全く通用しなかったと断言するレベルではなかったのは事実です。NPBではどのような成績を残すのかは分かりませんが、現状の西武の外野では基本誰でも戦力にはなると思いますし、十分期待できる成績だと思います。

総評

投手は与四球、奪三振をどこまで改善できるかというところにかかっていると思います。21年の指標では今後さらに成績が悪化する可能性もなくはないと思います。しかし、隅田、佐藤の両左腕は練習試合、オープン戦で良いアピールが続いています。特に隅田は3月5日のオープン戦で5回無四球6奪三振と素晴らしい投球でした。まだまだ分かっていない課題などもあるのでしょうが、間違いなく22年西武の戦力となってくれるはずです。加えて、即戦力としてはエンス、スミスが加入しました。若い今井、高橋、松本が柱になってくれた直後に即戦力の良い投手を獲得できましたし、近年の西武よりは投手陣に期待がもてるようになっていると思います。

あまり触れませんでしたが、ライトの愛斗の守備は目を見張るものがあります。加えて、短期間ですが好成績を残せていた若林、二軍で素晴らしい成績だった鈴木とプラスに変えることはできなくとも、大きなマイナスを埋めてくれる可能性のある選手自体はかなりいます。大きなプラスを作り出すことができる捕手とショートは揃っているので、この投手と外野をどうできるかで順位が大きく変わるチームだと思います。

すべてがうまくいく確率は低いでしょうから、他チームと比べ上位進出の可能性は低いとは思っていますが、大きなプラスを作ることは難しくとも、マイナスを埋めることの方が容易なので、優勝、Aクラスも全くないとは思いません。それに22年は厳しくとも、20年の野手ドラフトのおかげで大量にプロスペクトを確保することができました。23年以降に全く未来がないチームでもありません。今後また西武の時代が来る可能性もあるのかなといったのが総評です。

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