【パリーグ戦力分析2022】オリックス投手編

戦力分析投手編

セイバーメトリクス指標を使ってパリーグ球団の戦力を徹底分析します。今回はオリックス編です。2021年シーズンは25年ぶりにパリーグを制覇したオリックスですが、2019、2020年シーズンは二年連続で最下位からの優勝でした。2021年シーズンは前年から何が変わったのか、セイバーメトリクス指標的には妥当だったのか、オリックスの投手陣,野手陣はパリーグの中でどの程度の位置なのかを分析していきます。野手版は次の記事で更新予定です。

初投稿ですし、いきなりセイバーメトリクスだのなんだの言われても分からない人もいると思うので、当ブログで頻出するWARに関してはとてもざっくりと説明します。ただ、2021年シーズンはMLBでは大谷選手が歴史的な活躍したこともあり、アメリカでは日本よりもこのような指標の認知度は高く、普通に中継を見ていても表示されるような数字で、日本でもこの数字を使って大谷選手のすごさについて報道するメディアもあったため最近は認知度は増えているかもしれません。

WARとは、Wins Above Repalcement の頭文字を取った略語です。これでもわからないと思うので、簡単に言うと、リーグの平均的な選手(本当は代替可能選手ですけど、わからない単語増やしてもあれなので)に比べてその選手が勝利に貢献した値を数値化したものです。単位は勝利数です。野球というゲームにおいての目的は相手のチームよりも得点を多く奪うことですよね。簡単な話です。野手で言えば、その得点を多く生み出した選手がより勝利への貢献度が高かったとして評価するのがWARというわけです。例えば、WARが5.0の選手は平均よりも5.0勝分多く貢献をしたということです。投手の場合はどれだけ失点を防げたかで評価します。

そんなこと言っても、この数字に妥当性があるのかとか、そんなものどうやって算出するんだとかいう方もいると思うので、より詳しく知りたい方は日本語でセイバーメトリクス指標について詳しく解説してくれるサイトがこちらなのでご確認ください。

ようやく本題です。

今回はオリックスです。まずチーム成績ですが、注目するべきスタッツは得点、失点、得失点差、勝率です。得点551(パ3位)失点500(パ2位)得失点差+51(パ2位)勝率.560(パ1位)です。これを平均得点、平均失点になおして他のパリーグのチームと比較します。

どちらも突出した数字はないにせよ得点、失点の両方でリーグの中で優秀な数値であり、バランスよく点を取れたことが分かります。平均得失点と勝率に何の因果、相関があるのかイメージできない方もいるかもしれませんので、ピタゴラス勝率というのをこちらで紹介しています。今後、私のサイトでもセイバー指標についての解釈などは紹介しようと思うので更新にお待ちください。実際、得失点の差だけでチームの「真の実力」を測ることには限界があることには注意が必要です。

<投手分析>

山本由伸、宮城を中心として先発陣が大きな貢献を果たしました。山本由伸はWARで8.6と驚異的な数値を記録しています。12球団での投手WARランキングの2位は5.2です。その数値の傑出度が分かるかと思います。その他では、田嶋、途中で離脱してしまいましたが、山岡などがWARを稼いでいます。先発陣は山本、宮城の台頭もあり、リーグの中でもかなり強力な先発陣を形成できているものの、リリーフ陣はあまり良い評価を下すことはできません。中盤戦まで勝ちパターンのリリーフは固まらず、最終的には8回ヒギンス9回平野という形で落ち着いたが、3連投はシーズン中一度も行うことなく、シーズンを戦い切りました。これには、山本、宮城、田嶋の3人が規定投球回に達するなど先発陣が強力であったからこそできた戦略です。若手の底上げなどが目立ったオリックスですが、2022以降のシーズンはどのように投手を運用していくのかも注目したいです。その中で、防御率2.53、28Hとブルペンを支えたヒギンスが退団しました。新外国人では、投手を二人を獲得。ドラフトでは、投手を3人獲得しました。中でもドラフト1位の椋木は、先発でもリリーフでも期待できるとの触れ込みです。新獲得選手含めどのように運用していくのかオープン戦から注目です。

と、ここまでだったら少し詳しければだれでもわかることだと思うので、k%,bb%,HR/9など様々な投手の指標を使ってもう少し詳しくオリックス投手陣を分析していきます。

主な先発投手の指標(Ave〇〇はパリーグ先発平均)

この指標がなんなのか、どういう風に有効なのかを議論しなければいけないんですけど、FIPという指標があり、こちらをご覧いただければまぁだいたいOKです。ただ、これだけでは理解できない方のために一応解説すると、奪三振率や与四球率といった指標はある程度その投手の実力が反映される指標であるが、従来の主要スタッツである勝利数や勝率や防御率といった指標だけでは、その選手の「真の実力」を必ずしも反映しないという考え方からスタートしています。HRは味方の守備力に依存しないため、打たれれば100%投手の責任だという考えのもとで選手の実力を表す指標として使われることが多いです。まぁ実際には、必ずしもホームランは投手だけの責任とは言えないし、その考えから派生した指標などもたくさんあるのですが、今回は割愛。

山本が優れているのは言うまでもないのですが、表の上4人の選手はどの指標でもリーグ平均を超える数値を叩き出していて、防御率や勝利だけでなく、内容も良かったことが示唆されています。山﨑福もk%では、リーグ平均を下回るものの、bb%では、この中では最も優秀な数字を記録しています。もちろん今年のサンプルだけでこの選手がこうと言い切ることはできないですが。WARは、質と量どちらも優れていないと記録できないと大きい数値は記録できません。オリックスチーム全体の守備イニングは1254ですが、山本、宮城、田嶋だけで、484イニングを消化できており、約40%も内容が優れている3人で消化できています。オリックス先発陣は指標の面でも優れていますね。ちなみにオリックス全体の先発の消化イニングは838 1/3イニングです。そして、これらの選手たちはとても若く、年齢による劣化の心配はほぼないと言って良いでしょう。これら以外の選手との差が気になりますが、2022シーズンも怪我離脱や移籍次第ではありますが、強力な先発陣を形成できそうです。内容が優れている優れていると言ってますが、この内容だけで議論できないことももちろんあります。それはまた後日更新していきます。

主なリリーフ投手の指標(Ave〇〇はパリーグリリーフ平均)

リリーフに関してはそもそもイニングが小さいのでもっとサンプルを大きくして何年間かの通算で見た方がその選手の実力は分かりやすいんですけど、今回は21シーズンのオリックス全体のリリーフの分析なので21シーズンの成績だけを紹介します。

リリーフで多くイニングを消化しているのは富山、山田、ヒギンス、平野、漆原、k-鈴木です。全体的に平均との差はプラスの方にはあまり大きくありません。大きくマイナスになっていそうな選手もそこまでいないのは強みなのかもしれません。HR/9は全体的に優秀と言えそうですが、彼らの本拠地京セラドームが21シーズンでは本塁打の出にくい球場であったことも関係しているかもしれません。中継を見ていてこの球場は狭いなとか広いなとか直感的に感じることは結構あると思うんですけど、それを数値化した指標もあります。PFというのですが、球場の特性を考慮しようという発想から生まれた指標です。詳しい説明に関してはこのサイトが分かりやすいと思うのでリンクを貼っておきます。リリーフに関してはオリックスの課題となってきそうですね。しかし、一人優秀な投手が加入するだけで改善されたり、今までよくなかった選手が急に好成績を出すことも他のポジションに比べ起きやすいポジションなので、悲観的になりすぎることはないです。先ほども書きましたが、オープン戦以降中嶋監督がどのように運用していくのかに注目ですね。

今回は以上です。本当はもっと深いところで議論したいんですけど、DELTAさんのデータ利用に関しては利用規約などがあるので今はこれが限界です。どうしたらいいかは考えているので気長にお待ちください。次はオリックス野手編です。

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