【セイバーメトリクス】失点と得点という結果は運でしかない?

セイバー関連

また、セイバーアンチの方から反感を買いそうなタイトルとなりました。

どうでもいいんですけど、この記事7割くらい書き終わったタイミングで記事が消えたので、くそ萎えてます。まぁそれは置いといて。

タイトルを補足すると、「得点や失点という結果は1試合の中では巡り合わせによるもので運によって左右されうるのではないか?」ということです。

得点はどのように生まれる?

プロ野球ファンなのであれば、単打を同じイニングに何本も打ちながらも結果的には1得点もできないという光景を1度は見たことがあると思います。

例えば、ノーアウトランナー無しから単打→単打→打球の強い単打→三振→ゲッツーでイニング終了無得点。みたいな。

これは一例ですが、似たような光景は見たことありますよねって話です。ですが、これは不運によって得点できなかっただけではないでしょうか。

この例でも各イベントが起こる順番が入れ替わるだけで得点が可能です。例えば、単打→進塁打(ゲッツーとなっていた凡打)→単打→単打。はい得点できました。

こうではなくとも、3連打の内容が内野の間を抜けるゴロヒット、二遊間の頭上を越えていくライナー性の単打、打球の速いライナー性の外野の正面へのヒットというような内容だった場合は、

間を抜けるヒット→打球の強いヒット→二遊間の頭上ヒットならほとんどの場合で得点できます。

このように、得点というのは各イベントの起こる順番によってできたりできなかったりします。そして、そのイベントの起こる順番というのは各打者ないし首脳陣にコントロールできるものではありません。野球のルールは27アウトを取られる間に何点取れるか?ではなく3アウトを取るごとに攻守が交代するというルールのため、イベントの発生順は極めて重要です。

その順番が各打者、首脳陣によってコントロールできないとなると、1試合の中での得点というのは巡り合わせによって決まるものでしかなく、運によって大きく左右されうるという主張にも妥当性があるように思えてきませんか?

それに、先ほどの例でも上げたような1イニングに毎回3安打打つチームの攻撃が毎回このように無得点で終わるわけがないことは想像に難くないと思います。

当たり前ですが、このような拙攻には継続性がありません。長期的に見ればこのチームは多く得点することが可能です。まぁ1イニングに3安打を無限に打つことは現実的にはほぼ不可能ですが。そこは関係ないので。

失点はどのように生まれる?

次は守備側の視点から。

投手はインプレー打球が安打になるかそうならないかのコントロールはほとんどできないとセイバーメトリクスの研究によって分かっています。BABIPの考えによるものですね。インプレー打球がヒットになるかならないかのコントロールができないということはヒットの発生する順番もコントロールできないということです。

投手がコントロールできるのは奪三振、与四球、ゴロ、フライ、本塁打の割合のみだとされています。厳密には奪三振や与四球も審判の判定などの不確定な要素によって若干左右されうりますが、そこまで大きい要素ではないのでここではその話はすっ飛ばします。本塁打も若干運に左右されうるものですが、ここでの議論ではあんまり関係ない話なので飛ばします。これもセイバーの発展によって分かってきたものです。

インプレー打球というのは、全対戦打者から三振、四死球、本塁打を引いた数で求まります。ここから求めると、平均的なインプレー打球は約70%です。その70%の約30%がヒットとなるわけですが、その全打者の70%の内の30%もいつどこでどのような順番でヒットになるかはコントロールできないのです。そうなると、失点という結果も運によって左右されうるという結論にも妥当性があるように思えてきます。

ちなみにこの70%という値はNPBの2021年のセパ両リーグの成績から算出したものです。それに、70%という数字はあくまで平均です。奪三振や与四球の割合がコントロールできるということは70%という割合もコントロールできるということです。全ての投手にこれが当てははまるわけではありません。奪三振が多く、与四球が少ない投手が優秀だと考える根拠はここにあります。非常に合理的です。

70%の内の30%が安打となると言われてもイメージできない方もいるでしょうから、具体的にイメージしやすい数字を使って説明してみます。

大体規定投球回前後投げている投手は600人程度の打者と対戦します。2021年のセリーグでは、146 2/3回を投げて、セリーグの平均的なK-BB%の11.8%と全く同じK-BB%を記録した大瀬良はちょうどシーズンを通して600人と対戦しています。

600人の70%の30%は126なので、126安打を打たれるということになります。投手のシーズン全体の被安打数に触れる回数は少ないでしょうから、1試合単位で何安打打たれるかに直してみましょう。中6日でローテーションを形成した場合、大体投手は23~25回先発します。24回登板したとして、1試合5.25安打打たれることになります。

この安打数には本塁打が含まれていませんので、ここにさらに本塁打数が増えることになりますし、ここにさらに四死球が重なります。そうやって失点という結果につながるわけです。シーズン全体で126安打も打たれるわけですが、それがどのような順番で発生するのかのコントロールができないのだとすると、やはり失点という結果も運によって十分左右されうるということです。

得点推定式や指標の方が実際に記録された得点や失点よりも確からしい?

ここまで読んでくれた方は得点と失点は巡り合わせによって左右されうる運が絡んでしまうということは分かったと思います。つまり、短期間の得点と失点という記録だけではチームの実力の全てが反映されているとは限らないわけです。

ということは、順番という運の要素を排除したのwOBAやFIPといった指標の方が、実際に記録された得点や失点の方が各選手、各チームの実力を反映した指標ということになりそうですよね。というか、そう考えられているからこれらの指標が選手の評価方法として確立しているわけで僕が今更検証するまでもないことなんですけどね。

まぁこの辺のもう少し発展した話はまた今度できたらいいなと思います。

 

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